· 

サ高住での暮らし

自宅で生活をしていた人がサ高住で暮らすようになると…

つれあいに先立たれ自宅でひとり暮らしをしている高齢者
寂しさはあるものの日々やることはある
ひとりとはいえご飯の支度をし、食べれば後片付けをする
家中の掃除をすれば、風呂にも入る
天気が良ければ庭いじりだってする
多少おぼつかなくなったとはいえ、歩くことができれば買い物には行くし
ご近所さんとの立ち話だってする
長年住んでいる家
安堵と安心がある
時に人生を振り返りながら一日が過ぎていく
なんてことはない日々だが、全てを自分でしなくてはならない毎日

さて、そんな暮らしがある日から一変する
限られたスペースの部屋には最低限の家具と着替え
食事は上げ膳据え膳で、作る、片付ける、考えることをしなくなる
隣の部屋の方と話が出来れば良いが、必ずしもそうとはいかず
体を動かすことも少なくなり、せいぜいが食事前の体操と廊下を歩くことぐらい
時が時なだけに安易に外へは出られない
そもそも、防犯などのため玄関は常時施錠されており
出かけるにはその都度許可がいる
テレビを見ていてもさほど面白いとは思わず
「なんだかな〜」と思いながら時間が過ぎていく
動かず、考えず、ただ老いが加速するのみ

人生の最終コーナーをまわったところ
ひとりの高齢者とどう関われば良いのか
まずは寄り添い話を聴くか
その後は…
専門職の役割分担はあれど
それだけで事が済むわけがない
誰でも、出来る人が出来るときに出来ることをすれば良い
そこにいる人が穏やかにいられるのなら